Japanese
English
原著
汎発性帯状疱疹と帯状疱疹の補体結合性抗体価及び免疫グロブリンの変動の差等について
OBSERVATION ON COMPLEMENT FIXATION ANTIBODY TITRE AND IMMUNOGLOBULIN OF PATIENTS WITH HERPES ZOSTER AND HERPES ZOSTER GENERALISATUS DUE TO VARICELLA ZOSTER VIRUS
平野 京子
1
,
青木 良枝
1
Kyoko HIRANO
1
,
Yoshie AOKI
1
1東京女子医科大学第2病院皮膚科教室
1Department of Dermatology, The Second Hospital of Tokyo Women's Medical College
pp.85-90
発行日 1976年1月1日
Published Date 1976/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201548
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帯状疱疹と汎発性帯状疱疹の免疫学的差異及び帯状疱疹が,しばしば汎発化する際の発症機序の免疫学的解明の一助として,汎発性帯状疱疹(H.Z.G.)の6例及び帯状疱疹(H.Z.)の8例について,経時的に補体結合性抗体価(CF抗体価)及び免疫グロブリンIgG,A,M価の消長等を観察した.その結果,Varicella-Zoster Virusに対するCF抗体価は,第10〜20病日間に,多くの症例が上昇した.また,H.Z.G.では全例が初診時より抗体を有していたのに反し,H.Z.では,発症時<4が3例あつた.Herpes simplex virusのCF抗体価は,2者共全例が共有していた.IgGについては,H.Z.G.では,初診時より急性期にかけて一度漸減した後で増量し,汎発化は5〜11病日間であり,5例がこの初期下降線上であつたのに対しH.Z.では5例が初診時より漸増した.IgAは,H.Z.G.では高値を示したが,H.Z.では6例が正常値で,消長線型は2者共に不定であつた.IgMは,H.Z.G.では正常値範囲にあつたが初診時より急性期にかけて漸減傾向を示したが,H.Z.では反対に急性期にかけて増加を示したが量的には一定しなかつた.末梢血液像は,2者共に,第20病日前後で総体的白血球増加がみられた以外は著明な変動は認められなかつた.
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