Japanese
English
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痒性皮膚疾患に対するEurax(Geigy)の使用経験
TREATMENT OF ITCHING DERMATOSES USING EURAX OINTMENT.
三浦 高
1
,
金原 文夫
1
T. MIURA
1
,
F. KANAHARA
1
1広島大学医学部皮膚科泌尿器科教室
1Dept. of Dermato-Urology, School of Medicine, Hiroshima University.
pp.1199-1202
発行日 1959年10月1日
Published Date 1959/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202676
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1.まえがき
掻痒に対する外用業として吾々は多く2%ピチロール・ラツサールパスタ,1%ジフエンヒドラミン軟膏等を用いているが,これ等は時に戟激症状を示し,又前者は衣服を汚す欠点を有している。この点から鎮痒作用に優秀性を有するEurax(Geigy)を各種掻痒を有する疾患に局所使用する機会を得たので,その成績について報告する。本外用業は第1表に示す構造式を有し,之を親水軟膏に10%の割合に含有させたものである。この有効成分から考えて殺菌作用を有することは頷けることであり,その点Domenjoz(1946)1)はこれを疥癬に用いて有効性を述べ,同時に葡萄状及び連鎖状球菌の発育をも抑制し,しかも動物実験では毒性が低く又皮膚を殆んど刺激しないことを確かめている。1946年Burckhardt等2)は疥癬に用いて卓効を得,湿疹化巣に用いて全く刺激症状なく,鎮痒効果が極めて迅速に現れたと述べており,鎮痒効果はKwoczek3)を始め本邦に於ても多くの追試が行われ,良結果を得ている。我々も一応追試の意味で次の疾患群に使用した。
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