Japanese
English
特集 婦人の皮膚泌尿器科疾患
Riehl黒皮症
RIEHL MELANODERMA.
皆見 紀久男
1
,
中野 進
1
Kikuo MINAMI
1
,
Susumu NAKANO
1
1九州大学皮膚科
1Dept. of Dermatology,Kyushu University, School of Medicine.
pp.985-994
発行日 1959年10月1日
Published Date 1959/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202648
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1.緒言およびその歴史
Rlehl黒皮症は第1次世界大戦後オーストリアにてRiehl (1917年6月)が原因不明の主として顔面に特異な色素沈着と毛嚢角化を来たす症例を発表して一新皮膚疾患とし,その原因は玉蜀黍粉,その他の小麦粉の代川食品にあるといつた。一方同じ頃,Hoffmann,Habermannはドイツに発生した苔癬様中毒性黒色皮膚炎Melanoder-mitis toxica lichenoidesを報告し,その原因をテール,石油の誘導休を含む粗悪化粧品,油脂などの使用によるものとのべ,Riehl黒皮症もこの範疇に入るものとした。さらにFabryらは同様の症状を有する網状褐色色素沈着症を色素性苔癬Lichen pigmentosusと報告して扁平紅色苔癬の異型と考えた。またフランスではCivatteは別にJacobiのPoikilodermieの異型として顔頸部色素性網状多形皮膚症Poikilodermiereticulee pigmentaire du visage et du couとして記載した。これらの異同について盛んに論義されたが判然としていない。この疾患は第2次世界大戦後においても発生したので戦争黒色症の名称があてはまるかも知れない。わが国に於いては村田氏,ついで和田氏がRiehl黒皮症として報告して以来,諸氏の多くの記載をみる。
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