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特集 婦人の皮膚泌尿器科疾患
肝斑・雀卵斑
CHLOASMA AND EPHELIDES.
吉田 良夫
1
Yoshio YOSHIDA
1
1東北大学医学部皮膚科教室
1Dept. of Dermatology, Tohoku Univ. School of Medicine
pp.977-984
発行日 1959年10月1日
Published Date 1959/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202647
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肝斑は性熟期の婦人に頻発し,雀卵斑はもとより男女を問わず5〜6歳にして発生するが,美容的愁訴を以て医治を乞うは概ね思春期の女性──しかも色白く,眉目麗しき女性である。近来Ae-sthetic Dermatologyへの関心が大いに高まり,婦人の美的要求を満足せしめんが為に多くの新治療法が試みられつつある。しかしながら,本邦人皮膚の生理的状態を十分に顧慮することなしに行なわれた欧米方法の模倣はmonobenzyl etherof hydroquinonによるleucomelanodermiaの悲劇が示す如く甚だ危険である。一方又各種治療法の効果はその対象の選択如何によつて著しく異ることは当然であるが,例を肝斑にとつても,如何なる状態を肝斑と定義するか──その意味する所が広義にわたるか,狭義に限られるかによつて,肝斑の予後は想像以上の差異を示すことになる。本論文では主としてAesthetic Dermato-logy以前の問題が取り上げられた。先ず肝斑の定義乃至terminologyが如何に混乱しているかを,次いで所謂異型肝斑及びその鑑別診断を。これらの正確なる把掴とメラニン形成問題研究における現段階の認識との上にたつてこそ正しい治療効果の批判が行なわれ得るのであるが,一応現在行なわれている治療法が次に紹介された。
そばかすは,その定型的な症状を示すに止まる限りにおいては,敢えて生理的現象とも看做し得よう。
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