増刊号特集 泌尿器科手術における合併症管理のすべて
Ⅱ.術式別にみた術中・術後合併症の管理
E.小児の手術
尿管膀胱新吻合術
吉野 薫
1
,
谷風 三郎
1
Kaoru Yoshino
1
1兵庫県立こども病院泌尿器科
pp.222-225
発行日 2001年3月30日
Published Date 2001/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413903219
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1 はじめに
尿管膀胱新吻合術の適応には,膀胱尿管逆流症(VUR),尿管膀胱移行部狭窄や尿管瘤などの尿管下端部の通過障害,異所開口尿管などが挙げられる。術後腎機能障害を起こさないために,通過障害なくかつ逆流のない吻合が要求される。小児の尿管膀胱新吻合術の多くはVUR症例であり,本稿では逆流防止術を中心に述べる。
尿管膀胱新吻合術は粘膜下トンネル法が確実で信頼性があり,大きく次の3つに分類される。(1)Suprahiatal repair:尿管裂孔を移動させ長い粘膜下トンネルを作成できる。①Politano-Leadbetter法,②Paquin法,③Extravesical detrusorrhaphy(Lich-Greoir法に代表される)。(2)Infrahiatal repair:尿管口を移動させ,尿管裂孔の移動による尿管の狭窄や屈曲の危険性がない。①Glenn-Anderson法,②Cohen法,③Gil-Vernet法。
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