Japanese
English
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C軟膏およびCS軟膏の使用経験
Clinical Experience of C-Ointment and CS-Ointment
坪井 尚
1
,
中野 進
1
Hisashi TSUBOI
1
,
Susumu NAKANO
1
1九州大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kyushu University, School of Medicine
pp.155-161
発行日 1959年2月1日
Published Date 1959/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202485
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緒言
副腎皮質ホルモソであるコーチゾンの発見以来,順次その誘導体が合成され,これらの物質が内用剤あるいは外用剤として使用されるにいたつた今日は,皮膚疾患治療の面においても一時期を劃するにいたつた。少くとも湿疹その他一部皮膚疾患にたいしては,これにまさる外用剤を見出すことは困難である。しかしながら周知のごとく,皮膚疾患は種々の要因が複合して発生する場合が多く,これらの原因のあるものにたいしては単なる副腎皮質ホルモンのみによつては,なお充分の効果を期待しえないものもある。皮膚疾患治療剤として,われわれはよく抗ヒスタミン剤を使用する。すなわちアレルギーが皮膚疾患発生要因としてくわわる場合が少くない。さらに湿疹,皮膚炎などに罹患して局所皮膚の抵抗が減弱し,細菌の感染あるいは増殖に好条件である糜爛面などにたいしては,細菌の二次感染がみられることは多い。これらの病状はコーチゾン系薬剤のみをもつてしては治癒困難なものである。こういつた観点から,これらの複合した原因により発生した皮膚疾患にたいして,より効果的に治療効果をあげるため,ハイドロコーチゾンに抗ヒスタミン剤および殺菌作用を有するビチオノールを配合したC軟膏,あるいはさらに強力に抗生物質を配合したCS軟膏を湿疹を主体とする85例の皮膚疾患患者に使用して,そめ経過を観察することをえたので要点を報告する。
なお使用法は1日2ないし3回患部に塗擦せしめた。
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