Japanese
English
特集 老人の皮膚泌尿器疾患
老人性婦人泌尿器疾患
UROLOGICAL DISEASE OF THE AGED FEMALE
高井 修道
1
Shudo TAKAI
1
1札幌医科大学
1Department of Urology and Dermatology, Sapporo Medical College
pp.1485-1492
発行日 1958年12月20日
Published Date 1958/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202447
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緒言
老人性婦人泌尿器疾患という場合に2つのことが問題になる。先ず婦人泌尿器疾患であるが,これは婦人に限られた,或は婦人に特に多いとか婦人なるが故に特異の経過をとる疾患ということで,それにはどの様な泌尿器疾患があるかということ。次に老人性というのは一体どのくらいの年令からいつたらよいか,一般には60歳以上を老人と考えているがこの表題の如き場合に60歳以上と限定して果して特有の疾患があるかどうか,或はもつと若いところ迄入れねばならないかということが問題になる。そこで私は札幌医科大学に於ける昭和32年度の泌尿器科外来患者についてこれらのことを検討してみた。この年に於ける婦人の泌尿器患者総数は613例で,これを疾患別に分類してみると慢性尿道炎及び膀胱炎が約半数を占めていて最も多く,次いで尿路結核が多い,又婦人科疾患乃至手術に起因する泌尿器疾患(婦人科的泌尿器疾患)が多い。次にこれを年令別にみると総数に於ては20〜40歳が最も多く,その大半は尿路結核である。ところが40〜60歳に於ては総数では少なくなつているが男女比に於ては女子の方がやや多くなつている(全体としては男女比は1.6:1),これは婦人科的泌尿器疾患がこの年令で著しく多いためである。次に60歳以上になると総数が27例で著しく減少している。この中で最も多いのは慢性尿道膀胱炎,尿道カルンクル,膀胱腫瘍,尿道脱,尿道癌となつている。
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