Japanese
English
特集 老人の皮膚泌尿器疾患
老年性腎疾患
GERONTIC RENAL DISEASES
浅野 誠一
1
,
山内 真
1
Seiichi ASANO
1
,
Makoto YAMAUCHI
1
1慶応大学医学部
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, Keio, University
pp.1477-1484
発行日 1958年12月20日
Published Date 1958/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202446
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老年病学に於て常に混乱を来たすのは,老化現象というものが果して純粋の意味の生理的退化であるのか,又は二次的に起つた病的変化であるのかという問題である。例えば,老化現象の代表的変化とも做される動脈硬化症がどこまで正常であつて,どこから病的であるのかというような問題が総ての臓器にもあてはまるのである。年の経過とともに器管の機能は低下し,その根底には組織の可視的な形態変化を伴つているが,この形態変化は不可避の一次的変化とは限らず,むしろ反対に身体の機能障碍による環境の不適によつて生じた二次的な病的変化とも考え得るのである。従つて現在の段階では正確な意味で老人の正常と病的変化との間を区別することは困難であるので,老人の腎を考察するにあたり,我々は先ず臨床的に正常と思われる症例を一応正常状態の老人と考え,これを基礎として腎の病理的,機能的な面からこの問題を検討することにする。
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