Japanese
English
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皮膚科領域に於けるニコチン酸の使用経験
THERAPEUTIC EFFECTS OF NICOTINIC ACID ON DERMATOSES.
野波 英一郎
1
Eiichiro Nonami
1
1都立駒込病院皮膚泌尿器科
1Department of Dermato-urology, Komagome Hospital
pp.519-522
発行日 1958年5月1日
Published Date 1958/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202264
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1913年Funk及び鈴木等により米糠から分離されたニコチン酸は,その後Warburg等1)及びEuler2)によりcoenzyme中に発見され,更にElvehjem等3)によりペラグラに有効なことが認められた。以来本剤は抗ペラグラ因子として臨床的に使用されているが,一方Morre4)の指摘せる如くニコチン酸には強い血管拡張作用があり,斯かる薬理作用を利用した治療成績も数多く報告されている。
著者はニコチン酸の血管拡張作用に注目し,本剤投与の皮膚温度及び血圧に及ぼす影響を観察すると共に,本剤を凍瘡,多形滲出性紅斑,尋常性乾癬,脂漏性皮膚炎,ヂユーリング疱疹状皮膚炎の治療に用い,優れた効果を得たので,その経験を述べることとする。
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