Japanese
English
--------------------
色素性蕁麻疹の色素沈着に就いて
PIGMENTATION ON URTICARIA-PIGMENTOSA
田中 弘
1
Hiroshi Tanaka
1
1金沢大学医学部皮膚科泌尿器科教室
1The Dermato-Urological Clinic, University of Kanazawa
pp.63-66
発行日 1958年1月1日
Published Date 1958/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202166
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
最初1869年Nettleshipに依つてChronicurticaria leaving brown stainsとして記載された病変は,1887年Sangsterに依るUrticariapigmentosaの名称の下に欧米では既に1000例近く報告され,本邦では明治38年(1905)遠山1)の第1例報告以来100例を越えるに到つた。1887年Unnaが本症の真皮の浸潤細胞が肥胖細胞であることを指摘してより,浸潤細胞の多寡と発症年齢の組合せによつて種々の病型の存することが認められたが,本症の分類,更にはより根本に溯つて此等の本質的の異同に関しては今日尚論争されている所である。又近年Asboe・Hansen以下による肥胖細胞の生物学的意義並に機能に関する研究によつて肥胖細胞はmucopolysaccharideであるヒアルロン酸乃至ヘパリンを産出し或はヒスタミンの分泌に参存することが明かになり,本症に於ける肥胖細胞の意義,役割が活溌に論ぜられる様になつた。
Copyright © 1958, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.