Japanese
English
--------------------
皮膚疾患に対するビオチン,ビタミンB群複合剤の効果
EFFECT OF BIOTIN AND VB2 COMPLEX FOR SKIN DISEASES
谷村 保夫
1,2
Yasuo Tanimura
1,2
1大阪市立城北市民病院皮膚科
2大阪市立大学医学部皮膚科
1Dept. of Dermatology, Osaka Municipal Shirokita Hospital
pp.25-27
発行日 1958年1月1日
Published Date 1958/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202158
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
まえがき
皮膚疾患の中にはビタミン代謝と関係が深いものが多く,この意味からビタミンA,B群,C,D,E,K,P等種々のビタミンが皮膚疾患の治療に用いられ,効果を示している。
ビオチン(Biotin)も一種のビタミンで,1916年Bateman1)により発見され,György2)〜8)は初め"Protective factor against egg whiteinjury"或はビタミンHと呼んだ。1936年KöglおよびTönnisは卵黄中より本物質を結晶として取り出し,ビオチンと命名した。これとは別にAllison,Barkは豆の根瘤菌(Rhizobium)の生長促進因子を分離し,Co-enzyme Rと呼んだが,1940年György7)はビタミンH,ビオチンCo-enzyme Rが同一物質であることを認め,ビオチンの名の下に統一した。次いで1941年Du Vigne-aud9)10)らが肝臓,乳漿等より単離することに成功し,C10H16O3N2Sなる化学構造を明かにした。ビオチンは細菌発育物質として知られ,又酵素系`に作用してオキザール醋酸の脱炭酸作用,アスパラギン酸,セリン,スレオニンの脱アミノ作用,コハス酸の脱水素作用などがある。
Copyright © 1958, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.