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特集 小児の皮膚泌尿器科疾患
Besnier癢疹
BESNIER'S PRURIGO
西村 長応
1
Nagao Nishimura
1
1和歌山県立医科大学皮膚泌尿器科
1Professor of Department of Dermatology & Urology, Wakayama Medical College
pp.1179-1185
発行日 1957年12月16日
Published Date 1957/12/16
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491202135
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Besnier's Prurigo (BP)の真の病因は現在尚不明且つ議論の存する所であつて,体質的な背景をもつたアレルギー性皮膚疾患と考えられ,屡々喘息,枯草熱を合併し,強い掻痒が特徴であり,あらゆる治療に抵抗する慢性皮膚疾患であるが現在では純粋なアレルギーがその病因であるとの概念は多くの学者によつて否定されつつある。古くよりその臨床所見がBPに一致するか或は近似した一連の掻痒性慢性皮膚疾患の存在が種々問題となり,Halmontは1607年,Trousseauは1850年既に喘息に合併した或は同一原因によつて起つたと思われる掻痒性皮膚疾患について記述している。じらい多数の皮膚科学者はこれら一連の疾患群に対して臨床上の特徴を基礎として思い思いの名称を附し,現状の如く非常な混乱を来す原因となつている。Besnierは1892年これらの疾患をprurigo diathesique eczémato-lichénienneの名称の下にprurigoの一独立型として分離し,次でRasch,Jacquetは1903年Prurigo Besnierなる名称で呼んだ。
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