皮膚科学の流れ 人と業績・25
Ernest Besnier, Vittorio MibelliとJohn Addison Fordyce
高橋 吉定
pp.556-559
発行日 1972年6月1日
Published Date 1972/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201005
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Ernest BeSnier
Ernest Besnierは1831年オンフルール(Honfleur)で生まれた.勉学はパリで行ない,アルディ(Har-dy)とバザン(Bazin)の門下にはいつたが,数多くの門弟のうちでも特に卓抜しているといわれた,1857年の医学校卒業後,まつたく皮膚科学に没頭し,1872年には早くもサン・ルイ病院の医長になつていた.
ベニエは皮膚科学のあらゆる面において活発に仕事をした.彼の考えかたは本質的にフランス的であつたが,それにもかかわらずカポシの教本をフラン語に飜訳して,それに正確な注釈をつけた.乾癬に関する彼の論文,アトピー性皮膚炎に関する業績,湿疹に関する研究は,一流のフランス皮膚科学者としての彼の地位を確定した.臨床皮膚科学に対する彼の貢献ははなはだ大であつたが彼のもつとも著しい功績は教師としてであつた.1909年の彼の死去に当たつて,その弟子であるプリングル(Pringle)は次のように記している.
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