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Hebra癢疹樣發疹を伴える慢性骨髓性白血病の1例
櫻根 太郎
1
,
飯塚 啓子
1
1櫻根病院
pp.425-427
発行日 1953年7月1日
Published Date 1953/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201004
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本誌最近號にて川島・石田兩氏の「Prurigolymphadéniqueの1例」と題する示唆に富む有益且つ興味ある症例報告を拜見したが,兩氏等は本症には慢性白血病,慢性淋巴性亞白血症及び其の類似疾患に癢疹樣變化を伴つた場合と,Pruri-goに於て何等かの他の素因が加わる事によつて淋巴腺腫脹が著明になつた場合との二種類があり同氏等の報告例は後者に屬するものなる事を結論された。然るに両氏の論文を精見するに,少くとも両氏の記載の範團内に於ては既病歴,現症の何れの所見にも確認し得る程のPrurigoの記載なく,強いて求むればBesnier型Prurigoを想像し得る程度のものであつた。また第二にAudryの謂うところのLeumämidとPinkusの唱えるHautbegleiterscheinungの両者を別個のものとして取扱い然も結論にみるが如き觀點に於て自己症例を後者に帰屬せしめられていることは,Pin-kusの定義からも少々脱却せるもので若干誤解がある樣である。尤もこの第二の事柄に關しては夙にArzt-Fuchs (1929年)山崎・中野両氏(昭和14年)の明決な原著があるので茲では敢えて論議しない。
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