乳児湿疹に於ける二，三の問題

SOME OBSERVATIONS ON ECZEMA IN INFANTS.

緒言

　皮膚科領域に於て湿疹の占める地位が数的にも重要であることは均しく認められているが，その中でも小児に於ける湿疹，殊に乳幼児に見られるものが特に高率であり，かつ成人のそれに比べてかなり特異な症状や経過を示すものがあつて，古くから種々論議の焦点になつているに拘らず，病型分類，発生病理等多くの点に関して未だ見解が一致するに至つていない。これ等の問題点の中で特に我々の興味を惹く二，三の点をとり上げて内外の記載を参照しつゝ我々の成績を加えて以下記述したいと思う。