白暈を伴う点状紅斑症例（所謂樋口氏点状紅斑）

CASES OF PECULIAR ERYTHEMA PUNCTATUM (SO-CALLED ERYTHEMA PUNCTATUM HIGUCHI)

　昭和18年，樋口教授は一種特異の点状紅斑の症例を記載したが，昭和29年谷村教授は同様の症例を報告してその独自性を認み，樋口氏点状紅斑という名称を提唱している。その後報告された症例も併せて総括してみると，患者は若年婦人に多く，春又は初夏の候に初発又は再発するものである。紅斑は牟米粒大位までであつて，明かに出血斑ではなく，周囲に鮮かな白暈をもつている。多数集簇する場合でも孤立して決して融合せず，好発部位は四肢伸側特に肘部膝蓋部を中心として集簇することが多い。自覚症は全くなく，—全身症状としては倦怠，心悸亢進，頭痛，食思不振等が拳げられている。

　吾々もかかる症例6例を観察する機会を得たので，そのうち1例に就て詳細に記載し他の症例を参考例として掲げる。

The authors reported six cases of a peculiar erythema punctatum which was first described by Higuchi in 1943.

Skin manifestations are composed of isolated simple pinheadsized erythemata and surrounding white halos. Sites of predilection are extensor surfaces of extremities. This condition occurs most often in the spring and early summer.