Japanese
English
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腎実質石灰沈着症,殊に原発性腎性酸性症について
NEPHRCALCINOSIS DUE TO PRIMARY RENAL ACIDOSIS
楠 隆光
1
,
佐藤 昭太郎
1
,
生駒 文彥
1
Takamitsu Kusunoki
1
,
Shōtaro Sato
1
,
Fumihiko Ikoma
1
1新潟大学医学部泌尿器科
1Department of Urology, Niigata University School of Medicine
pp.3-8
発行日 1957年1月1日
Published Date 1957/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201859
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腎実質石灰沈着症Nephrocalcinosisは,しばしば尿路結石症を伴う関係上,泌尿器科的に問題となる疾患である。しかし,本症が泌尿器科方面で一般に注目され出したのは最近のことであるために,そめ症例報告は左程多くない。即ち,Ma-yo ClinicのMortensen and Emmett (1954)が1952年1月迄の自家経験例及び報告例を集めた処では合計91例であり,我国で腎実質石灰沈着症と称してよいと思われる症例の報告は古谷純一(1949):田村一及び井田正文(1951):富川梁次等(1952):永矢之政等(1952):荒木龍爾及び木村昌平(1955)及び市川篤二等(1955)の各1例位のものゝ様である。しかもその病因に関しては,記載の明確なのは古谷純一及び永矢等の上皮小体機能亢進症が剖検的に証明されたものゝ2例があるばかりである。我々は最近55歳の本症の1例を経験し,種々検索の結果,その病因が所謂Primaryrenal acidosisである事を確め得た。それで,ここにその症例を報告する機会に,腎実質石灰沈着症,殊にそのPrimary renal acidosisによるものに就て綜説して見たい。
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