特集 外科患者・薬物療法マニュアル
Ⅳ.併存疾患をもつ外科患者の薬物療法
7.腎・尿路系
腎性・腎血管性高血圧症
多田 祐輔
1
1東京大学医学部第二外科
pp.854-855
発行日 1986年6月10日
Published Date 1986/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209412
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□基本的事項
1)腎性高血圧症を併存法として持つ患者を手術する場合,術中,術後の左心負荷を軽減する目的で血圧をコントロールするが,血圧にばかり目を向けてこれを下げすぎると,術後思わぬ腎機能低下をみることがある.ことに腎実質性の腎性高血圧,両側性の腎血管性高血圧症の場合は注意を要する.
2)したがつて,尿量の減少をまねかない程度,血中クレアチニン,BUNの上昇をまねかない程度に血圧をコントロールするが,一般的には収縮期160〜180mm—Hg程度,拡張期100mmHg以下にコントロールできればよいと考えるべきである.
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