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女子尿道口に発生せる線維筋腫の1例
安藤 智恵子
1
,
上館 貢
1
1岡山大学医学部皮膚科泌尿器科教室
pp.1041-1043
発行日 1956年12月1日
Published Date 1956/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201846
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緒言
女子尿道に発生する悪性腫瘍は,上皮性癌腫,結締織性肉腫があり,良性腫瘍では上皮性のポリープ,乳嘴腫,腺腫,嚢腫のほか,結締織性の線維腫,線維筋腫,筋腫の1群,及び血管腫に分類されるが,炎症の結果発生するポリープを除いては稀である。
上皮性悪性腫瘍である癌腫に,岩崎(1951)によると本邦文献上69例である。近年尿道癌の報告に多く接するが,これは該疾患の増加によるものか,或はLatzkoのいうように,本症の稀有なのは,一般臨床家の本症に対する認識不足の為にこれまでは報告を怠つた為である,という両者の理由に基くものであろう。しかし結締織性腫瘍は良性悪性共に甚だ稀である。
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