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皮膚科領域における抗ヒスタミン剤B-ビタミン群合併剤使用経験
平田 耕造
1
1九州大学医学部皮膚科教室
pp.619-620
発行日 1955年9月1日
Published Date 1955/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201503
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緒言
B-ビタミン群の研究は近時長足の進歩をとげ,その臨床領域における利用も各科において盛んに行われているが,皮膚科領域における適応も,その典型的な欠乏症のみならず皮膚炎湿疹蕁麻疹などに奏効することが報告されている。また近来抗ヒスタミン剤による皮膚疾患,とくにいわゆるアレルギー性皮膚疾患の治療効果が報告されている。しかしながらとくにアレルギー性皮膚疾患に限らず,一般掻痒性,滲出性皮膚疾患についても掻痒および毛細管透過性に関するヒスタミンの生体内機転よりして,抗ヒスタミン剤の止痒効果,滲出抑止作用が考究されるべきである。したがつてB—ビタミン群および抗ヒスタミン剤の併用が諸種皮膚疾患に対して,期すべき治効を持つであろうことも,当然推測し得るところである。わが教室において,最近これに関するいささかの経験を得たので報告し,あわせて2,3卑見を述べる。
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