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線維素溶解酵素並びに抗線維素溶解酵素剤の臨床成績について
安部 達義
1
,
林 法信
1
1広島大学医学部皮膚科泌尿器科教室
pp.1023-1027
発行日 1955年12月1日
Published Date 1955/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201549
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1.緒言
線維素溶解現象は古くよりGreen(1887)及びDastre(1893)等によつて報告され,Dastreが初めてこの言葉を使用し,近年に至つてMcFarlaneの臨床報告がなされるや,多くの学者達による研究発表及び臨床観察が相次いで行われ,続いてChristensen,Mc Farlane,Ratnoff,Loomis,Rommert等によつて血漿蛋白溶解酵素が単離され,是はFibrinolysin又はPlasminと命名され,茲に線維素溶解現象(Fibrinolysis)と言う概念が生れるに至つた。即ち血液凝固に際して析出した線維素,凝固した血液が細菌感染なしに一定の条件の下では再び溶解し,流動性となる現象(線維素溶解現象)は血漿中にある特殊の蛋白溶解酵素(線維素溶解酵素)の活性化によるものであることが明らかとなつた。
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