Japanese
English
総説
神経系とビタミンB12について
Vitamin B12 in the nervous system
稲田 雅美
1
,
亀山 正邦
1
Masami Inada
1
,
Masakuni Kameyama
1
1京都大学医学部老年医学教室
1Department of Geriatrics, Faculty of Medicine, Kyoto University
pp.963-972
発行日 1979年10月1日
Published Date 1979/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406204476
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I.はじめに
20世紀に入る前にすでに悪性貧血には神経障害をともなう例の記載報告がある。現在から考えるとビタミンB12が発見される以前に知られていたことになる1,2)。Castleが1928年に悪性貧血の外因子説,内因子説を発表し,1948年RickesおよびSmithらが,その外因子はビタミンB12(B12)であることを発見,確立した。したがつて悪性貧血は胃液中の内因子欠乏によるB12の吸収障害によつておてり,そのためのB12欠乏によつて神経症状がひきおこされることが分かつて来た。ててからB12と神経障害とのかかわり合いが始まつた。てのようにB12の第一のtarget organは血液であり,第二のtargetは神経組織である。臨床面からB12欠乏による神経障害の研究が精力的に進められると同時に,生体内のB12代謝やの誘導体などが検索されるにつれ,B12をめぐる諸種の病態や生理作用などが明らかにされつつある,しかしなお多くの面で未解決のまま,今後の研究にまたねばならない点が多い。
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