--------------------
眼底ならびに脳室に興味ある所見を有するクリツペル・ウエーバー症の1例
中島 一
1
1久留米大学医学部皮膚科泌尿器科教室
pp.326-328
発行日 1955年5月1日
Published Date 1955/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201430
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1900年Klippel et Trennaunayは偏側肥大症に血管性母斑を併発せる症例に対しNaevs vari-quex ostéohypertrophiqueの名称を与え,その後Weberもこの症候群を検索してHaemangiec-tatic hypertrophyと唱えた。爾後海綿様血管腫または単純性血管腫が存在し,かつ組織の肥大を随伴するものをKlipPel-Weber病と一般に呼ばれる。そもそも本病は偏側の肥大が主要症候で,下肢に最も頻発し上肢これに次ぎ,その他躯幹,顔面にも見られる。すなわち外観上左右の非対称を示し,四肢ではその太さと長さを増し,しかも右側の肥大せる場合が多い。しかして骨の肥大延長をも招来するが,レ線学的検査で病的変化は認められない。第2の症候は血管性母斑であるが,その他色素性母斑,限局性多毛症を合併するものもある。岩下—三浦氏は太田母斑を併発せる1例を,太田,川村,伊藤氏は粘膜血管腫兼色素斑および眼底病変を有する1例を報告している。更にGesellは約13%に知能愚鈍を認めている。私は本回Klippel-Weber症において眼底ならびに脳室に興味ある所見を有する1症例を経験したので報告する。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.