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円形脱毛症に対するビタミンD2の筋注療法
西田 光一
1,2
,
堀江 徹也
2
,
近藤 茂
1
1山梨県立病院皮泌科
2順天堂大学医学部
pp.880-882
発行日 1955年10月1日
Published Date 1955/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201511
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円形脱毛症に対する在来の治療のうち最も多く用いられている一つに局所注射法がある。これは治療手技が煩瑣で,殊に小児においてはその実施がはなはだ困難である。しかも注射する藥剤の性質によつては,頭皮に何らかの障害を与えないという証明は必ずしもない。本症のあるものにおいてはその発生原因が内分泌あるいはneurohor-monalの障害に基づくとも考えられるので,直接に病巣局所に藥剤を与えるのではなくて,内服あるいは注射等の,いわば内科的方法によつて本症の治療が可能ではないかということが考えられる。一方最近ではビタミンD2が皮膚結核をはじめ,その他の皮膚疾患に用いられ,その経過中において病毛再生が経験的に知られはじめ,脱毛症に対しても亦D2内服療法が試みられて,極めてよい成績をおさめている(Beutnagel 及び Frie-derich,Geiger,Thomascheck,Halla Schuchard,蔭山等)。然しながらD2投与には副作用もあるので,これを避けるべく,牛乳蛋白と結合させたD2錠剤が多く用いられている。
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