今月の主題 水電解質と酸塩基平衡
水電解質代謝調節ホルモンの話題
ビタミンD
清野 佳紀
1
1大阪大学医学部・小児科
pp.844-845
発行日 1986年5月10日
Published Date 1986/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220362
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ビタミンDの代謝
体内に摂取されたビタミンD3あるいは皮下に存在するprovitamin D3(7-dehydrocholesterol)が紫外線および熱異性化反応により変換したビタミンD3は図1のように肝に運ばれ,25位が水酸化され25OHD3となる.その後,腎に運ばれ最も重要な1α位の水酸化をはじめ,図1に示すようにさまざまに代謝される.
腎における1α位の水酸化反応は血中のCa濃度により調節される.血清Ca値が低下するとPTHの分泌が促進されるとともに1α位の水酸化が促進される.逆に血清Ca値が上昇するとPTHの分泌が抑制されるとともに1α位の水酸化が抑制される.1α,25(OH)2D3は各種ビタミンD3の中で最も活性が高く,腸管Ca吸収および骨吸収作用を促進し,血清Ca濃度を上昇させる.
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