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アレルギー性皮膚疾患に対するdl-Nメチルエフエドリンの治療効果
廣川 浩一
1
,
花井 定彦
1
1東京大学医学部附属病院分院皮膚科
pp.206-209
発行日 1955年4月1日
Published Date 1955/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201398
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1885年長井の発見したエフエドリンは,今日まで抗アレルギー剤として喘息,その他の疾患に広く賞用されているが,心悸亢進,不眠,興奮,頭痛,血圧上昇等の副作用を伴うため,使用範囲に制限を加えられる事も勘くない。1927年Smithが麻黄からI-N-メチルフエドリンを分離したが,最近では全く忘れ去られ,臨床的に応用されるには至らなかつた。1948年三沢,菅沢等はラセミ型N-メチルエフエドリンを合成し.その生物学的作用と臨床効果に就て詳細な研究を行い,それが抗アレルギー剤としてエフエドリンに稍々優り,且血圧上昇,心悸亢進,不眠等の副作用の殆どない事を明かにした。HerxheimerもN-メチルエフエドリンに就て,その効果の著しい点,又副作用の勘い点略々三沢等と一致した意見を述べている。我々は,このラセミ型N-メチルエフエドリンを湿疹,皮膚炎を主とする所謂アレルギー性皮膚疾患に試みて良好なる成積を得たので茲に報告する。
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