--------------------
慢性皮膚疾患に対するSolarsonの臨床治験—本剤の再確認に就て
櫻根 好之助
1
,
藤井 達郎
1
1大阪市立医科大学皮膚科泌尿器科教室
pp.202-206
発行日 1955年4月1日
Published Date 1955/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201397
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒言
或種皮膚疾患の治療に対して不可欠の独逸Ba-yer製剤としてはSolarsonとGermaninの2者があるが,何れも古くから使用せられて其の卓効あることはすでに我領域に於て均しく認められる所であつた。然るに今次大戦の前後は此2者の入手全く不可能となり,やむなく,本邦製剤を以て之に代えざるを得なかつた。其後独逸に於ける復興が急速に営まれ,経済状態も恢復され,以前の製剤が再び輸入されて我々の治療界に再登場するに至つた。
Solarsonに限らず,砒素剤は皮膚科領域に於ては多くは全身療法に使用されることは周知のことであるが,Solarsonに関しては,それがHeptin-chlorarsinsäureのAmmonium salzであつて,他の砒素剤例えばKakody1製剤,亜砒酸或は亜砒酸ソーダ等の如き製剤に比較して,その注射した製剤が大部分病巣に対して効果を発揮して行くと云う優れた点があり,すでに過去に於ける我々の経験からしてもその著効を認めているものである。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.