特集 皮膚泌尿器科診療の進歩
部分的腎剔除術について
外塚 岩太郞
1
1札幌医科大学
pp.837-844
発行日 1954年12月1日
Published Date 1954/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201335
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
まえがき
病変が腎の一小部分に限局する場合,その部分だけを剔除する部分的腎剔除術は,既に19世紀末葉よりCzerny, Tuffier, Tillmann等多数の人人によつて行われていたが,適応症を誤つていたために手術成績があまり芳しくなく,今世紀に入つてからは臨床的には応用できない手術と考えらるるに至つた。然るに今次大戦を境として,目覚しく進歩した一般外科学及び化学療法の応用により,遂に実用圏内の手術として再登場するに至り一躍泌尿器外科に於ける注目の的となつてきた。
私は札幌医科大学皮膚泌尿科教室に於ける経験を中心にこの手術の適応症,手術々式及び手術成績についてその概要を述べて参考に供したい。
Copyright © 1954, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.