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化膿性皮膚疾患の局所療法Sulfadiazine軟膏による治驗
大村 順一
1
,
守屋 昭二
1
1廣島醫科大學皮膚科泌尿器科教室
pp.857-860
発行日 1953年12月1日
Published Date 1953/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201107
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化膿性皮膚疾患の治療としては,一般化學療法の原則に從つて藥劑の内服又は注射等による全身投與の型式と共に,その疾患の性質よりして局所療法が重要視され,否むしろその疾患の治癒状況は局所療法の適否に左右されることの多い點が痛感される。この事については幾多の要因が數えられるが,その一つとして如何なる藥劑によるも皮膚病巣部えの滲透は極めて乏しく且不定であり,從つて一旦發生した化膿巣はその起因菌に對する藥劑の殺菌或は發育阻止作用により疾病の發展を防止すると共に,その外用によつて藥劑の組織えの滲透によつて完全なる治療効果が期待されるものである。
私共は,一昨年來系統的にSulfonamide,Fu-racin,Penicillin,Streptomycin,Aureomycin,Teraamycin等を種々の基劑に混用して化膿性皮膚疾患,或は二次感染皮膚疾患に外用して,各々の作用効果を検索中であるが,今回SulfadiazineとしてTheradiazineを親水軟膏或はcarbowaxP.E.G.軟膏(Solbase)に混用,外用し,米國で言はれているような過敏性を見ることもなく,よく所期の効果を收めたので,その成績について報告しようと思う。
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