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慢性限局性瘙痒性皮膚疾患のヒアルウロニダーゼ局所皮内注射療法
香川 三郎
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1東京大學醫學部皮膚科教室
pp.400-401
発行日 1953年7月1日
Published Date 1953/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200997
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ヒアルウロニダーゼの皮内注射が細胞浸潤を吸収させ且つその部に於ける瘙痒を減する可能性を考え,2,3の慢性限局性瘙痒性皮膚疾患にこれを應用,見るべき成績を得たので報告する。
全11例。即ち慢性局面性濕疹5,結節性痒疹2,ヴイダール苔癬4例,何れも膏藥療法,全身療法を數週乃至數ヵ月行つて輕快乃至治癒しなかつた症例に,持田製藥製品のスプラーゼを滅菌生理食鹽水に溶解,1cc中ヒアルウロニダーゼ1,000V.II.M. を含む如くし,その0.1cc宛を病變局面皮内に點々と注射すること恰も圓形脱毛症の局所皮内注射療法と同じくした。場合に依り,化膿性症例にはこのヒアルウロニダーゼ溶液5CC中に水溶性ペニシリン10萬單位を更に溶解せしめ,これを使用したこともある。注射後はその部に滅菌ガーゼを當てて繃帶するか,又はそのままに放置し,膏藥療法,光線寮法,内服,注射等は一切これを行わなかつた。注射は最初の1週間乃至10日間は毎日乃至隔日,それ以後は隔日乃至隔2日に行い,治療觀察期間1週間乃至數ヵ月。
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