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皮膚疾患に於ける強力ネオミノフアーゲンCの治療效果に就て
今井 利一
1
1千葉大學醫學部皮膚科教室
pp.315-317
発行日 1953年5月1日
Published Date 1953/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200975
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緒言
近來,アレルギー學の發展に伴い,抗アレルギー劑の研究も又一大飛躍を遂げ,種々の新製劑が世に登場した。皮膚科領域に於ても,患者の最も苦痛とする掻痒を伴うアレルギー性疾患に對し,抗アレルギー劑を使用する事は,一慣習であり,是に依り掻痒の減退,皮疹の消退の促進,經過の短縮を期待し得るものである。抗アレルギー劑として脚光を浴びた強力・ネオ・ミノフアーゲンC(0.2%グリチルリチン,0.1%システイン,2.0%グリシン)の治療效果に就いては,既に多數の報告があり,皮膚炎濕疹,小児スト・フルス,蕁麻疹などに就き概して75%以上の治療效果を認めて居り特に皮膚表皮病變を主とする疾患に有效であるとされている。
余等も又夙に本劑の卓效性に着眼し各種皮膚疾患に就き使用観察を行つたが,こゝでは昭和26年及27年度に來院せる外來患者使用例に就き略述する。
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