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放射線皮膚障碍に對する抗ヒスタミン劑軟膏の效果に就いて
津屋 旭
1
,
大野 岑也
1
1東京大學醫學部分院放射線科
pp.207-211
発行日 1953年4月1日
Published Date 1953/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200946
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緒言
Fourneau & Bovet(1933)が抗ヒスタミン劑929Fを合成して以來,各種の抗ヒスタミン劑が次々と合成せられると共にその應用方面にも著しい進歩が齎らされた。抗ヒスタミン劑は皮膚科方面に於て種々なる掻痒性皮膚疾患に好んで用いられ,軟膏として使用する場合には基劑として親水軟膏又は吸水軟膏を使用すべき事が小堀・赤氏等によつて報告されている1)2)。放射線照射の際にヒスタミン樣物質が組織内で産出される事は多數の報告によつて明らかであるが,著者は抗ヒスタミン劑を放射線皮膚障碍に應用し,その有效性を認めたので之を報告したいと思う。使用した抗ヒスタミン劑はレスタミン(鹽酸鹽・油浴性)であつて,軟膏基劑としては親水軟膏及び吸水軟膏其他(第1〜4圖參照)を使用した。
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