技術講座 微生物
淋菌の検査法
髙橋 聡
1
,
廣瀬 崇興
2
1札幌医科大学医学部泌尿器科
2北海道社会保険病院泌尿器科
pp.1065-1068
発行日 2001年8月1日
Published Date 2001/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905968
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新しい知見
淋菌(Neisseria gonorrhoeae)は,比較的抗菌薬に耐性化(プラスミド性または染色体性)しやすいとされている.現状としては,本邦ではキノロン系抗菌薬耐性淋菌(quinolone resistant neisseria gonorrhoeae;QRNG)が半数以上を占め,最も問題となっている.もちろん,抗菌薬の使用量にも関係するのだが,かつて問題となっていたペニシリナーゼ産生淋菌(penicillinase-producing N. gonorrhoeae;PPNG)とテトラサイクリン高度耐性淋菌(tetracycline resistant N.gonorrhoeae;TRNG)とは,海外の状況とは異なりわが国ではほとんど問題となっていない.QRNGに関しては,その耐性機構がキノロン耐性決定領域(quinolone resistant determining region;QRDR)の変異であり,淋菌のgyrA,parC領域のアミノ酸の変異であることが明らかとなっている.また,最近では,セフェム系抗菌薬を含めた多剤耐性株の報告もみられる.したがって,MIC測定を継続していくことが必要である.
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