特集 公衆衞生に必要な諸検査
淋菌の検査法
市川 篤二
1
1東大(泌尿器科学)
pp.2-5
発行日 1954年2月15日
Published Date 1954/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401201325
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はしがき
典型的な急性淋疾の症状を呈する患部から得た檢査材料について淋菌を検査することは,臨床家にとつても決して六カしいことではない。即ち膿の塗抹標本をつくりメチレン靑染色を行えば,双球菌が多数に検出される。此の双球菌が膿球内にあつて,その上グラム陰性であれば,淋菌と診断して先ず絶対的に差支えないといえよう。
ここで"いえよう"と稍々曖昧な表現を用いたのは,上に列記した条件がかけると診断を誤ることがあるからである。即ち塗抹標本だけをみて膿球内にグラム陰性の双球菌があつても,それは必ずしも淋菌ではない従つて患者は淋疾ではないことが知られている。
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