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腎臓發育不全症竝に輸尿管異常開口に就いて
小林 敏夫
1
,
大森 敏直
1
,
佐々田 健四郎
1
1名古屋大學醫學部泌尿器科教室
pp.423-428
発行日 1952年9月1日
Published Date 1952/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200789
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腎臓の先天性發育異常及び輸尿管異常開口に關しては既に多くの記述があり,文献的に總括した詳細な業績も見られるが最近私等が經驗した症例を先人の報告を参老として検討し,印象に残つた知見を報告し,併せて,二,三の老察を加えてみたいと思う。別表1は私等が手許の文献より渉獵し得た本邦に於ける輸尿管異常開口の症例であるが融米文献に見られる症例に於ても輸尿管異常開口の見られる症例に於ては發育不全腎や附着腎の合併していることが多い。私等がこゝに報告する第1例は中年家婦に見られた他に全然畸形を認めない重量10gr.の先天性右發育不全腎であり,第2例は右腎の先天性發育不全を伴つた右輸尿管の膣口に於ける開口異常であり,第3例は左腎上極に附着腎を有する重複腎盂重複輸尿管で,左側の楡尿管開口が膀胱内,膣前庭部及び膣口の3ヵ所に認められた症例である。
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