Japanese
English
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尿管異常開口の2例
TWO CASES OF ECTOPIC URETER
千葉 栄一
1
Eiichi CHIBA
1
1新潟大学医学部泌尿器科教室
1Department of Urology, Niigata University School of Medicine
pp.1017-1020
発行日 1964年10月1日
Published Date 1964/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203906
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I.緒 言
Campbellによれば泌尿性器系の畸型は全畸型の35〜40%に及び,又剖検例で見ても人類の約10%に泌尿性器系の異常が存在するといわれるが,これは泌尿性器系の胎生期発生の複雑さを考えて見ると十分納得される所である。尿管異常開口もその畸型の一つとして,外国ではThom(1928),Burford et al(1949)及びEllerker(1958)等による統計的報告があり,Blundon & Lane(1960)によれば欧米ではすでに500例以上に達しているといわれる。本邦でも高橋・市川(1932)の報告を初めとして,岩下,三浦(1947),志田(1948),岩崎,手塚(1957),佐藤,山口(1959),仁平ら(1960),松村ら(1960),相戸(1962)及び嶺井(1963)等の詳細な集計報告が見られ,嶺井の集計では1963年末までに本邦例は171例に達したと報告している。この様に尿管異常開口はあまり稀な疾患とはいい難くなつているが,著者は2例の興味ある症例を経験したので,その後の本邦症例も集めて若干の考察を加えて報告する。
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