臨床例
特發性總輸膽管擴張症の本態,竝に其の手術方針に就て
渡邊 三喜男
1
1京都帝國大學醫學部外科學教室第講1座
pp.28-33
発行日 1947年8月20日
Published Date 1947/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407200235
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1. 緒言
特發性總輸膽管擴張症に就ては,1817年Toddの報告,續いてDouglas(1852)の報告あり,極めて稀有な疾患とされて來たが,本疾患の知見の進歩,普及と共に其の報告は次第に多くなり,余は文獻に依り余等の症例を併せて196例の症例を得た。即本疾患は最早稀有な疾患で無く,日常吾人は本疾患の存在を常に考慮すべきであることを知つた。殊に196例中本邦報告は90例に及び本邦に於て特に多い疾患と思はれる點は注意すべきである。
本疾患は特發性總輸膽管嚢腫とも呼はれてゐるが,本態論に於て後述する如く先天性總輸膽管擴張症と呼ばるべきものである。
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