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口,手掌,足蹠斑點状母斑
森安 勇
1
,
吉松 孝治
1
1松江日本赤十字病院皮膚泌尿器科
pp.397-401
発行日 1952年8月1日
Published Date 1952/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200780
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まえがき
口唇唇紅と指趾腹面から手掌,足蹠にかけての四肢末端部とを,主なる發生部位として,左右對側性に,黒褐色小色素斑の點在する症例に就いては,昭和17年,大森氏,昭和23年,森氏の報告がある。大森氏はこれをNaevi spiliとして,森氏は「指趾掌蹠及び口唇唇紅の先天性色素斑」としてそれぞれ記載した。本邦に於けろ症例は以上の二例のみであつて,他に報告例あるを聞かず,なお一定の病名あるを見ない。
歐米の報告に見られるNaevus spilusなる疾患はあるいは,本症を包含するかも知れないが,その名の示す通り,いま少し廣い意味をもつと考えられるから,少くも,斑點状色素斑が特定の部位のみに發現する本症の如き疾患の名稱としてはそれほどふさわしいものでない樣に思われる。
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