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斑紋状皮膚萎縮症に就て
森脇 三郎
1
1京都大學醫學部皮膚科教室
pp.477-479
発行日 1951年10月1日
Published Date 1951/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200603
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皮膚の萎縮を來す疾患としては,二次的に他の疾患に繼發合併するものと,原因本態不明の二つに區別される。前者としては癩性斑紋,鞏皮症,Poikilodermie,レントゲン及ラジウム皮膚炎,色素性乾皮症,紅斑性狼瘡,老人性皮膚退行變性等があり,後者は瀰漫性及び限局性皮膚萎縮症に分類されている。勿論この斑紋の大さの規準には瀰漫性,限局性に分別しても尚問題はあるが。
著者に所謂限局性斑紋状皮膚萎縮症の1例を經驗したので茲にその大要し報告するものである。本症は1891年Jaderssohnが"Anetodermia erythematosa"として報告せるもので,その後1910年Finger & Oppenheimは詳細に研究し,斑紋性萎縮性皮膚炎と命名した。併しOppenhe-imの詳細な研究に拘らず之を纖維腫と見做した所のSchwininger & Buzzi(1891)の報告せる"multiple, benign, tumor like new growth of the skin"の症例も斑紋状皮膚萎縮に含まれるものである。
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