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精管結石に就て
森脇 三郎
1
1国立姫路病院皮膚泌尿器科
pp.983-987
発行日 1955年11月1日
Published Date 1955/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491201540
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I.緒言
精路疾患は比較的等閑に附されがちであつて,その独立した症状を呈することが少い為に,他の泌尿器疾患に合併されて,余り注意されない。就中,精路結石に関しては,その頻度が極めて稀であつて,特に臨床的にみることは極めて少く,Voelckerは精嚢外科学で,又Oberndor ferは病理解剖及組織学の中で1例も経験せずと述べている。又Fullerは240の精嚢手術中2例を経験し,Belfieldも2例を,又Smith a.Morrisseyは77例中1例に結石を経験している。正木も200例の精嚢レントゲン像により輸精路を検索した結果1例の結石を経験している。
かくの如く臨床的の頻度が少いのみならず,又剖検上の頻度も亦少く,Kocher,Voelcker,Oberndorfer,Heckel,正木等の蒐集した報告例も30足らずに過ぎない。
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