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前立腺肥大症のラヂウム療法
帷子 康雄
1
,
加藤 祐二
1
1東北大醫學部皮膚科教室
pp.321-322
発行日 1951年7月1日
Published Date 1951/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200545
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- 文献概要
前立腺肥大症の非手術的療法は女性ホルモンを中心とする療法,或はビタミンK療法へと進みつゝあるが,明治44年故土肥教授がラヂウム照射の效果を臨床的並に照射後の摘出前立腺につき組織學的に確認し佐谷,駒屋と共に發表され,之と前後してYoung, Lee, Condon,本邦では武市,西山,小林,加藤,谷口等がその效果を報じており,我々も亦該症に對してラヂウム療法を試み認むべき效果を擧げて居る。依つて最近20年間に於ける當科入院患者76名に對して行つたラヂウム照射の成績を茲に報告する。尚外來患者實數は151名で,年齡別には最低43才1名,50臺13名,60臺55名,70臺42名,80臺4名,最高88才,腫瘍の大さは直腸診にて境界不明6,兒頭大2,手拳大2,兒拳大16,鵞卵大5,鷄卵大4,超胡桃大24,正常7,記載不十分28,合併症は膀胱炎21,便秘下痢消化不良6,膀胱結石,陰嚢水腫各5,尿道狭窄4,脱肛3其他9でその中肺炎,胃潰瘍,糖尿病を併發せる3名は治療中途に死亡した。入院患者76名に就いては癌の遺傳關係を有する者3,然らざる者70, L.Koster氏癌反應陽性1,陰性6,ワ氏反鷹陽性1,陰性23,血壓はMunkの判定に從えば高血壓5,低血壓3,正常24で何れも特別の關係は見られない。 ラヂウム使用方法:25mg棒状白金筒ラヂウムを0.2mmアルミニウム濾過板で包み直腸内に挿入し腫瘍の大さに應じ加減して1日1〜3時間宛連續5〜10日照射を以て1クールとし1カ月毎に繰返すを慣行している。
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