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水痘と帶状疱疹の臨床的比較研究
住吉 義級
1
1日本化成黒崎工場附屬病院
pp.283-285
発行日 1951年6月1日
Published Date 1951/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200532
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水痘は傳染によつて小兒を好んで侵すところの全身病であつて,全身の殆んど至る所の表面に小水疱又は小結節を發生するところのありふれた皮膚病の1つであつて,毎年多發しているものである。帶状疱疹は,同樣に小水疱や小結節を突然に表在皮膚神經叢に沿うて,密集して發生するものであつて,年齡の如何を問わず起り得るものである。是も毎年多發しているが,其の數は水痘ほどに多くはない。是も皮膚病のありふれたものゝ一つである。兩者は發疹の模樣が類似しており,何れも原因は瀘過性病源體に據るもめであるとされている。兩者は色んな點で近似性が多いために同一物視するに至つた人もある。最近は色々の適例を示して兩者は全く別のものであることを證明しようとした人もある。水痘と帶状疱疹とが同時に併發した症例は文献に紹介されている。兩者の水疱の内容液をアンチゲンとして相互に皮膚反應を行つて,其の結果からして兩者は全く別の物であることを證明せんとした人もある。
余は最近の兩者を調査する機會を得たので,臨床的に比較し,兩者の近似について檢討を加えて見たいと思う。
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