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播種性結節型腎結核,殊にそのレ線像並に頻度について
並木 重吉
1
,
上出 二郎
1
1金澤醫科大學皮膚科・泌尿器科教室
pp.265-267
発行日 1951年6月1日
Published Date 1951/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200525
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緒言
Wildbolzの所謂播種性結節型腎結核は一般に稀有なものとされている。我々は最近その1例に於て興味あるレントゲン像に遭遇したので教室に保存されている剔出腎標本313個を自から檢査し結節型腎結核の頻度を調査すると共に,結節型に該當するものについてはそのレ線フイルムを顴察し,その所見と先入の業績とを比較考察した。
Wildbolz(1927)は腎臓結核を粟粒結核と慢性腎臓結核とに大別,更に後者を乾酪空洞型,播種性結節型及び纖維型(或は硬化型)に分類,その他に組織學的に結核の構造を示さない所の結核性腎炎を置いている。腎臓結核の分類は諸家により多少異るとはいえ結核性腎炎を除けば,大局に於てWildbolzのそれと大差ないものゝ如くである。例えば最近のSporer及びGreenberger(1950)の論文に於ても腎結核を粟粒結核,結節型及び所謂外科的腎結核(so called surgicalkidney)の3型に分けている。前者に於て空洞形式に至らないものを更に膠原纖維の増殖著明ならざるものと著明なるものとに分けている點が後者と異るのみである。後者の所謂外科的腎結核は前者の所謂乾酪空洞型に該當することは言う迄もない。泌尿器科に於て見られる腎臓結核の大部分は乾酪空洞型で,教室の313例を分類すれば,第1表を得る。
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