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急性播種状型ヱリテマトーデスの眼底變化に就て
西村 長應
1
,
出來 利夫
2
,
加藤 正一郎
2
1和歌山醫科大學
2和歌山醫科大學皮膚泌尿器科教室
pp.268-271
発行日 1951年6月1日
Published Date 1951/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200526
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結言
急性播種状型ヱリテマトーデスはアレルギー性疾患の興味の焦點となつており,現在尚幾多の未解決な問題が殘されている。急性播種状型ヱリテマトーデスの眼底變化に就てはBaehr, Pollackによつて初めて記載されたもので,氏等によると眼底には血管周圍の出血或は毳毛状の滲出物による網膜の溷濁,又急性増惡期には屡々限局性乳頭浮腫を認める。此等の變化は全身の廣範圍の血管障碍によるものであつて皮膚病變が全く缺如する時或は極く輕微な場合でもrheumatic fever,rheumatoid arthritisと明確に鑑別が出來得ると記述している。本邦に於ては未だ此の方面の報告には接しないように思われる。我々はBaehr及びPollackの記載に略々一致したと思われる眼底變化のある急性増惡型播種状ヱリテマトーデスの1例を經驗したのでその大要を記述し,更に本邦に餘り紹介されていないと思われる急性播種状型ヱリテマトーデスをKlemperer, Pollack and Baehrの汎發性結合織疾患(diffuse coll-agen disease)の觀點よりみたBachr and Poll-ackの記載の概略を紹介したいと思う。
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