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同一腎に於ける腫瘍と結核との併發,特に腎臓脂肪腫に發生した腎臓結核について
原田 儀一郎
1
,
渡邊 孝雄
1
1東京醫科齒科大學皮膚科泌尿器科教室
pp.317-321
発行日 1950年8月1日
Published Date 1950/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200379
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1.序
腎臓腫瘍のうち,最も屡々臨床家の對象となるものは,Grawitz氏腫瘍,胎生期混合腫瘍肉腫等の惡性腫瘍であつて,良性腫瘍は比較的我我の關心を索くことが少かつた。
良性腫瘍のうちでも,腎盂乳頭腫,血管腫,腺腫の如きは比較的臨床家の興味の對象と成り得たのであるが,筋腫,脂肪腫,線維腫,線維筋腫の如きに至つては甚だ稀有のものとされ,僅かに病理學者によつて興味を懐かれたに過ぎなかつた,然るに近年良性腫瘍についての知見が加わるに伴つて,臨床界に於ても好論文の簇出を見るに至つた。
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