--------------------
皮膚病患者の血液型(ABO式及びS式)に就て
伊藤 實
1
1東北大學
pp.314-317
発行日 1950年8月1日
Published Date 1950/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200378
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
血液型は遺傳學的基盤に立ち人種學的に講究されているものであるから,當然疾病の遺傅性乃至體質的關係に就て吟味せられるべきであり,1921年Alexander似來各科領域に於て多數の業績があるが,未だ特殊の關連を確認された疾患は殆どなく,加之氣質問題などに飛躍したためか一般に寧ろ否定的態度をとる者が多くなつた。而して皮膚科領域では餘りその観察が少く(Straszynski,Kloeveker-n.u.Simon,Poelmann等)我國では大道,宮村の報告があるに過ぎず,唯々癩で體質問題の見地から諸家の調査があり,また梅毒に對して血清反應乃至驅梅成績との關係が種々檢討されているが,孰れも特殊の關連は肯認されていない。
余は専ら進傳,體質の觀點に立つて檢索を企圖し且つ從來臨牀では概ねABO式血液型の検査に限定されていたので,特にS式血液型をも併行して研索した。
Copyright © 1950, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.