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皮膚疾患に對するシュワルツマン濾液の應用
八丁目 直義
1
1東北大學皮膚科教室
pp.41-42
発行日 1950年1月1日
Published Date 1950/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200303
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近年緖方氏がシュワルツマン濾液の急性炎症に對する治療的效果に就て報告せられ,大腸菌に限らすシュワルツマン現象を起し得る紬菌の濾液には總べて同様の效果を發揮し得る活性物質を含むであらうと云ひ,共の有效物質に對してコンムニンなる名稱を與へた,而して大腸菌濾液(コンムン)の臨床的成績に就ては福田氏等の詳細な報告があり皮膚科領域に於ては細田氏の各種疾患に就て,田沼・駒瀨兩氏(綜合醫學第5卷第24號)の濕疹に就て各治癒成績があり又腸チフス菌濾液(チフォミン,チフォゲリゾン)の治癒的效果に就ては深尾氏(學術文献第8,9號)の記載があり,並木教授,山本,齊藤氏等も化膿性疾患に相當の治癒的效果を認めている.我教室に於て昭和21年8月より本年6月まで主として外來皮膚疾患々者に就てコンムニンを使用した結果を報告する.
使用方法は原則として1日1回1.0cc皮下注射とし年齡,症状の輕重により用量,回數を適宜増減した.局所的には穏和な軟膏の使用以外にはなるべくズ劑或は他の解毒劑の併用を避けた.全症例を通じて確實に副作用と見るべきものは認められなかつた.使用例は301名(内第97回仙臺地方會に於て飯島氏の報告せるものを含む)で内大別して化膿性疾患209名.アレルギー性疾患及び掻痒性疾患79名.
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