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今次戰事の皮膚及性病科疾患に及ぼした影響に就て
鶴町 光衞
1
1日本大學醫學部皮膚泌尿器科教室
pp.25-27
発行日 1949年1月1日
Published Date 1949/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200144
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第一次大戰の際皮膚及性病科方面では,膿皮症及疥癬並に各種性病が著しく増加して,皮膚科の首位を占めてゐた濕疹の王座を奪ひ,其他戰爭色素沈着症の如き新しい疾患も現はれた.今次戰爭に際しても慶大,警察病院,東京遞信病院,北大及九大皮膚科等の統計は同じ樣な影響を來した事を示して居り,余も亦第270回皮膚科東京地方會及第12回日本醫學會皮膚科分會に於て我が教室の統討に就て述べた今回更に其後の統計を追加して茲に報告する次第である.
1.疥癬 第1表に見る如く疥癬は昭和16年以前は2〜4.5%の間にあつたが,其後漸増の傾向を示して來た.然るに20年は,8月迄19%と急上昇し,経戰後9月より12月迄45.6%と爆發的に増加し,21年は23.8%となり,22年は8.5%に減じ,次第に卒年に近づきつつある.
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