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外傷性膀胱異物
小山 繁
1
1中國配電株式會社診療所
pp.27-29
発行日 1949年1月1日
Published Date 1949/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200145
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緒言
尿道を經て侵入した膀胱異物並に其等を核とする膀胱結石の報告は枚擧に遑なく決して珍しい事ではない.しかるに外傷性膀胱内異物は比較的稀で古賀・布目・平賀・長田・布施・井尻・三矢・小早川・鈴木・田崎・小笠原等の13例に過ぎない.
特に銃砲彈による膀胱内異物の例は勘く,日露戰に於ける古賀の1例以來支那事變に於ける小早川・三好・棚橋・鈴木等の4例,滿洲人に於ける田崎の1例に過ぎない.今次大戰に於ては軍機密の關係上か,或は敗戰の混亂に依つてか未だ報告例を發見し得ない.しかるに余は昨年國立岩國病院在職中に,膀胱鏡檢査で單なる膀胱結石と誤り,碎石術を行ひ,不成功のため遂に高位切開で摘出して初めて彈片による異物と判明した例を經驗したので報告する次第である.
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