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腎臟紡錘細胞肉腫の1例
野村 義弘
1
1日本醫科大學泌尿器科學教室
pp.250-254
発行日 1948年12月1日
Published Date 1948/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200135
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緒言
腎臟惡性腫瘍の中肉腫は比較的尠ない,腎臟肉腫の中小兒期に於て見られるものは多くは胎性的雜腫瘍として,腺腫其他と混じて來る事は周知の事實であるが,成人特に老人に於て腎臟に紡錘細胞肉腫が發生する事は稀有である.腎臟肉腫に就ては,Juddu, Donaldは,1901年より1932年間に於てMayo Clinicで行つた腎臟惡性腫瘍の手術例579例の中,肉腫は僅かに20例に過ぎないと述べて居る.Lubarsch (1925)は世界中の文獻中より腎臟腫瘍892例の組織學的檢査を行つたもののみを集め,此の中で肉腫は122例で13.7%の割合であると報告して居る.
本邦に於ては腎臟肉腫は40例内外報告されて居るが,此の中で紡錘細胞肉腫は僅に數例の報告が有るのみである.
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